ホルモン療法HRTについての最近の話題

ホルモン療法は、動脈硬化や骨祖しょう症予防のほか、

更年期障害の症状軽減効果があるとされていました。

日本でも多くの女性がホルモン補充療法を受けておられます。

しかし最近の調査によれば、このようなホルモン補充療法は

更年期障害の軽減など短期的効果のためならば、利点はリスクより大きいが、病気の予防目的などで長い間投与を受けることは、有用でないとされています。

 

米国立衛生研究所NIHの報告  

 

NIHは1993年から1998年まで、50〜79歳の女性約16000人を二つに分け、一方にはエストロゲンとプロゲスティンという女性ホルモンを、一方には偽薬を 与えた。

その後の追跡調査の結果、エストロゲンとプロゲスチンとの同時併用療法を受けている女性では骨折や大腸癌が有意に減少したが、心血管疾患、脳卒中および(浸潤性)乳癌が有意に増加した。また、総死亡率には有意差がみられず。これらのリスクは非常にわずかであり、一人一人の女性に与える影響は極めて少ないと考えられるが、長期間の多数の女性への影響を考慮してNIHは治験を中止した。

そこで、日本産婦人科医会としては以下のような同時併用療法に関する指針を提示しました。

 

1.現在長期的な(4〜5年以上)同時併用療法を行っている患者では、直ちに併用療法を中止する必要はありませんが、継続する場合は乳癌、心血管疾患、脳卒中等に十分注意し、健診を定期的に受けるよう指導し、これらの疾患の早期発見に努めます。

2.長期にわたる併用療法をこれから開始する場合は、併用療法のリスクとベネフィットについて患者とよく相談し、個々の患者に合った選択をすべきです。ただし、冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)の予防を目的として併用療法を開始すべきではありません。また、大腸癌の予防を目的として併用療法を行う妥当性も現在のところありません。

3.更年期障害(ほてり、のぼせ、発汗、腟乾燥等)の治療のために短期間併用療法を行うことは、通常はベネフィットがリスクを上回ると考えられ、併用療法を行ってもよいと考えられます。ただし、この場合においてもリスクを考慮して患者と相談の上決定します。

いずれにしろ、エストロゲンとプロゲスチンとの同時併用療法に関しては、リスクとベネフィットとに関して患者とよく相談し、個々の女性に合った治療方針を立てるべきであり、また併用療法を行う場合は乳癌、心血管疾患(血栓症を含む)、脳卒中等の早期発見に努めることが重要です。

なお、子宮全摘出術後女性に対するエストロゲン単独療法に関する治験では、上記のようなリスクは現在のところ認められておりません。また他の薬剤、他の投与量、他の投与法による治験は行われておらず、これらの影響は分かっていません。

 

 

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